松本清張で、文庫化されていなかった作品集です。
なので、あまり面白くなかった(^^;
とーっても面白いミステリーとかは、とっくに文庫化されてるわけだから、当然といえば当然。
「紙碑」は、画家の夫に先立たれて再婚して幸せに暮らしていたはずの女性の心の機微が丁寧に描かれていて面白かった。
でも、ストーリー展開とかはほとんどなく、心の機微『しか』描かれていないとも言う(^^;
「老十九年の推歩」は、松本清張が調べた伊能忠敬についての論説?
伝記ではなく、「ココにはこう書いてあったけど、○○の影響だろう」とか、「ココにはこう書いてあるけど、そんなはずはない」とか、松本清張なりの伊能忠敬像を追いかける様子を記録している感じ。
事実と推察を注意深く書き分けているのが分かりやすくてありがたい。
伊能忠敬の家柄は良くないけれど、真面目な性格を買われて婿養子に入った伊能家の経営を建て直し、老後はまだ学問として深まっていない測量学に踏み入れ、私財をかけて日本地図作成にあたったと始めて知った!
伊能忠敬の出身地佐原で地図を作成したと思い込んでいたけど、実際に地図製作に取り組んだのは深川(今の門前仲町)だったそう!
千葉県出身なのに、全然知らなかった。
今度読んでみよう!